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[来るな、と思う間もなく、宵闇色の浴衣の青年に声をかけられる]
おや、行儀の悪い、懐手で人に声をかけるかね。
……いや、違うな。言わなくてよかった。
[一人ごちると、青年に応えを返す]
似たようなもんだけど、とりあえずあたしに角はないやね、見てのとおり。
よかったら、半分あげようか?
[カルメ焼きのひとつを半分に割って、青年に差し出す]
[ぴくり、指先に伝わる感覚。
うっすらと目を細め]
同じ色だが、さてはて不思議。
ふむ、己が瞳は綺麗とな。
どうにもわっぱにはそう映るものかの。
なぁに今は気分ではない。縫いつけなどせんよ。
[するり、瞼を撫ぜて指先は離れる。
視線は重ねず中空を見つめる藍の瞳]
司棋は何を願うか?
[くすり][くすくす]
[何がそんなに愉しいものか]
――案外難しいのぅ。
わらわの運も大したことはない。
[渡された飴][幾度か瞬き]
ぞろ目でなくてはいかんのではないのかえ?
まあ、いただこう。
――今宵の運も捨てたものではないのかの。
[カラリ][コロリ] [飴玉持って]
[ふらりふらりと*月夜の散歩*]
かっかっか。
鬼が人に化ける時に角など出すなどどこの茶釜の狸になるか。
[差し出されるカルメ焼きを受け取る]
では有難く頂こうかの。
童に菓子を貰う青鬼とは可笑しなものだが、
腹が減っては如何にもならぬ。よきかなよきかな。
何を…?
さぁ?今はまだ何も。
…よかったら今晩の酒盛り、
呑み潰れた後の介抱をお頼みしても?
昨日は何やらいたずらをされたようです故。
またきっと、僕も酔ってしまいましょうに。
聞いていただけると、嬉しいですよ
[眼をそらす様子にくすりと笑い、そっと離れ]
[ぴちゃり] [ぱちゃり] [迫る宵闇] [浮かぶ白い肌]
[ぴちゃり] [ぱちゃり] [なぞる内腿] [浮かぶ黒い蝶]
はらはら舞う桜の花弁も好いけれど、ひらひら舞う黒アゲハも美しいネェ。
うむ。よかろう。
お前さんなら片手で担ぐのも楽そうだ。
[カルメ焼き齧り、離れる司棋を振り向き]
いたずらとな?
ははぁ、遥月か…なかなか目ざといのう。かっかっか。
いたずらで済んでよかったではないか。
取って食われるよりよかろうて。
[別の者の連れた犬に気づき]
おや、お前さんもどうだい?
[手のひらにカルメ焼きの欠片を乗せて、声をかけたが、
あいにくカルメ焼きは好みでなかったらしく、そっぽを向かれる]
……まぁ、そうだろうとは思ったが。後でくれって言ってもあげないよ。
[苦笑いしつつ肩をすくめると、誰にともなく問いかける]
にしても、これだけの妖しの輩を閉じ込めたのは
どなたさんのどんな思惑です?
[「取って食われる」の一言にまた眉を顰め口元を尖らし]
鬼ごっことやらが始まれば無防備に寝てそれこそ殺されかねない状況ですからね。喰われ千切られてしまうのはそれこそ痛いでしょうに。ごめんですよ。
[微妙に勘違い]
[赤毛の少女へ人懐こい笑みを向け]
初めましてお嬢さん。このような所に迷われるとは。
何か忘れ物?早く元のところへ戻られた方が?
[いう傍から夜斗が近づき頭を摺り寄せている]
…おや、では君も、かな?
[そっぽを向く夜斗と少女の様子にからから笑っていると
問いかけにきょとり首を傾げる]
知らずに祭りに来たのかね。
さては甘い香りに誘われてきたか。
これは狐様の結界さ。
主様をお起しになる、大事な祭り。穢れたヒトなど入らんようにと閉じるのであるが……どうにも混ざっておるようでのう。
[すいと屈めば少女の襟元に鼻を寄せ]
ヒトの香はせんようだが、さてはて上手く化けているか。
それともお前さんはただの小鬼かどちらかのう?
[からり身を上げ笑う]
泉は常葉の少女に貸したとなれば――
[下駄を鳴らして境内へ] [月に透かせた林檎飴]
[赤い赤い其の飴に、己が瞳は更に紅く――]
――この色は、好かんな。
どうせならば蒼が好い。
[水は静かに時を流れ] [時に留まり水晶の中]
[司棋に渡した其れよりも] [聊か小さい水の珠]
飴玉に見えなくもない――甘いは甘美か。
[小さな袋に飴玉入れて] [口に含むは水晶の方]
[こくり][喉を潤して] [浮かんだ笑みはあどけない]
鬼ごっこはもう始まっておろう。
遊びほど生易しくはなかろうて。
[難しい顔をする司棋へと肩を竦め]
かっかっか。食われ千切られるか。
手足も痛いが別のところも千切られないようにな。
月はあれでなかなか艶やかだ。
酒もろくに知らぬわっぱが色香にも酔うたら大変じゃ。
[宵闇色の青年のいささか不躾な仕草にわざと渋面を作ると、]
……そういうことなら、お前さんよりこっちの子の方が向きなんじゃないのかね?
[犬のほうに目をやると、表情を戻して、懐に手をやり]
あたしかい?あたしはこいつさ。
[篠笛を取り出して、振って見せた。]
かっかっか。そのような顔をするな。
すまないすまない少々悪戯心がおきたまでよ。
[かふり、カルメ焼き咥え。
空いた手でこの子と云われた夜斗をひと撫で]
確かに鼻が利くのは此方の本分か。
[さりさりさくさく。咥えたまま食べ終えて。
取り出された篠笛にそちらを覗く]
ほほぅ、笛か。笛がお前さんの正体か?
なるほどこれは同属か。いやいやさてはて。
開耶も妾も「ぶん投げる」に何とそぐわぬことであろうorz
出来れば林檎飴を常葉の少女に渡してあくしょんを起こしたかったが、妾が来るのは深夜ゆえ、間に合わぬと思うてな。
ところで皆、いつまで泉に居るんじゃろうか。
妾はええが、常葉の少女が水浴び出来ぬ(笑)
[結界を通しても流れてくる祭囃子。
そちらに目をやり、ふふっと笑みをこぼして]
しかし、あたしらは出入りかなわないのに、楽の音はお構いなしか。
あの中に混ざろうかと思ってここに来たんだけどねぇ。
[心の浮き立つ鉦・太鼓・笛の音に聞き惚れるように目を細める]
異国人 マンジロー は、なんとなく 学生 メイ を能力(透視)の対象に選んでみた。
[ぺちりと窘められたせいか、拗ねたように青司を睨む夜斗を軽く制し]
笛?ふ〜ん…。
それが犬笛でないことを祈るよ。
夜斗がどこかにいってしまうと僕が困るからね。
その笛は、どうやって使うのかな?
[年が近そうに見えたか、やや砕けた口調で物尋ね]
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