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咲くを待つは長き時。
それこそ永久を思うほど。
[すぃと巡り琥珀は空へ]
…独り幻に溶けたいか?
[ゆぅるり。
碧に向かう口許を彩るは笑みの色]
色に心か。
成る程、しかし己は空ほど広くはありはせぬわ。かっかっか。
なぁに、色を見て云ったまでよ。
他意などありはせぬが、奇妙な気とな?
[揺れる肩] [覗く藍の眼差し]
[受け止める碧] [弧に笑むか]
打つ呑むは味わったし次は買う代わりに色事かえ?
好いネェ、茄子の兄さんなら煮ても焼いても旨そうさァ。
[コロコロコロリ] [笑う声軽やか]
[現れる赤の少年] [顔向け微笑み]
司棋の兄さん、お帰りィ。
[夜店の駄菓子の甘い香りが漂う。
懐中を確かめて]
まぁ、腹が減っては何もできないな。素寒貧でもなし。
[夜店の明かりのほうへ向かう。]
鬼ごっこに相談も何もあるまいて。
じゃんけんほいで終わりじゃろう。
それとも何か別の鬼ごっこの相談かのう?
[幹に身をもたせたまま、ゆるり見回してから]
司棋や司棋。近こう寄れ寄れ。
[泉の傍にいる司棋を手招く]
司棋か。
[香は薄められたろうか。
辺りへ視線を巡らせれど、香の有り様が見えるはずなく]
[藍に向かうは流し眼に]
からり晴れた夏の空。
やれ、広さは無いか。それも良かろう。
空と地は相反と同時に常に共に。
何、大して深い意は有りはせぬ。
ほれ、約束の林檎じゃ。
[ずいと司棋の前に林檎飴を差し出し]
赤鬼にも感謝いたせ。
頼もしい相棒は見事ジゴロを引き当ておったわ。
[コロコロコロリ笑う声に
からからからり笑い声重なる]
色を添えれば食らうと云うておろう。
やれやれ旨そうとは己を食うつもりか。
気の早いお前さんに今にも齧られてしまいそうだ。
おお怖い怖い。
尤も心して食わんと腹を下すがなぁ?
[口元を上げると向けられる琥珀の瞳]
さてはてお前さんは豊穣の大地かそれとも乾いた砂地か。
赤鬼さんに青鬼さん。次は空と地か。
可笑しき縁の多い事だ。
[開耶より名を呼ばれ、微笑みながら]
先程の香、僕がいる所まで香ってまいりました。
よほど強いのかと思いましたが…よい香りでしたよ。
今は大丈夫です。ご心配をおかけしたようで。
[ついで青司より林檎飴を受け取ると心底嬉しそうに笑い]
ありがとうございます。
赤鬼…?はて、では喰児様が…?
青司様がとられたものではなく?しかしながらそのお心遣い、嬉しいですよ。遠慮なく頂戴します。
また次行かれる時は是非お連れ下さい。
その賽をふる遊戯、見てみたく思います。
[一口、齧りながらまた眼を細めて笑い。蒼い目が一瞬鮮やかさを増した]
待てば咲くなら永久じゃ無いヨゥ。
仮令咲かずも信じて待つのは好いじゃないかィ。
[浮かぶ笑みに] [薔薇色の唇] [ニィと笑み返し]
何処に在ってもアタシァアタシさァ。
幻に解けるンじゃなくて其ン時ァ幻がアタシに成るのさァ。
[青鬼に] [ニィと笑み]
生憎とアタシァ腹は丈夫だヨゥ。
[ひらり] [ひらり] [周囲へと] [白の手振って]
さァさ、いい加減に水を浴びさせてお呉れヨゥ。
みんな散った散った、覗く莫迦も居ないだろうけどさァ。
[鬼を祓い] [静まれば] [水を浴び] [*其の内に何処かへ*]
良い良い。その顔が見れて林檎飴も本懐じゃろうて。
[嬉しそうな笑みを浮かべる司棋の髪をくしゃり撫ぜる]
喰が得た分は己が食ろうた。
司棋のそれは己が買うた分よ。
うむ。頭数は多い方がよかろうて、
案外お前のような者こそがアラシを出したりしてな。
[蒼い瞳、頭を撫ぜていた手はすいと降りて
ひとさし指を司棋の瞼に当てる]
その目は怖いのう。なんでも聞いてしまいそうじゃ。
あとで瞼を縫い付けてしまおうか?
[くつり、本気か冗談か。笑む]
[お面に風車、びいどろに風鈴
目にもあやな数々の品がずらりと並ぶ店先
ひときわ甘い香りの漂う店の前に足を止め]
小父さん、カルメ焼きを二つくれるかい?
ああ、ありがとう。それと、冷やし飴のあるお店を知ってる?
[店主に教わった店で目当てのものを手に入れると、
落ち着いて飲み食いできそうなところを求め、木立の中に入っていく]
?……これは……もしかして、とんだ百鬼夜行かぁ?……
[ふふっと笑みをこぼすと、輩のものと思しきいくつかの気配のほうに向かった]
さて。
どちらであるかは我にはわからぬ。
地と言うたは其方であろう、其方が決めるが良い。
赤鬼青鬼、空に地。
やれ、確かに多きか。
[藍に向けくつり笑い]
[司棋の言に瞬き]
…やれ、矢張りあの香は強すぎるか。
其方の在るときに扇は開かぬが良いか。
そりゃ、頑丈なこって。
少しくらいは頼りないところでも見せたらどうだ。
おいおい、誰も面白がって見やせんよ。
[追い払われて、泉から少しばかり離れようと]
おやおや、小さい赤鬼さんか?
[現れた少女に瞬く]
[カラリ][コロリ] [下駄の音]
[人混み縫って露天へと]
わらわにも振らせてくれまいか?
――なぁに、ただの運だめしじゃ。
[くすり笑って][握るはみっつ]
[運試しなど何の気まぐれ]
[髪をくしゃりとされても面白そうに笑うだけ。
人差し指が瞼に触れると僅かにびく、と反応し]
この眼?青司様と同じ色ですが?いえ、青司様の目のほうが綺麗でしょうに。
しかしこの眼で青司様が願い事を聞いてくださるなら
縫い付けられる訳には参りませなんだ
まだまだ、願い事なぞ増えそうなものなのに
[やはりくすり、と楽しそうに]
僕は賭け事なぞたしなみませぬ。ただ、見ているだけでよろしいのですよ?
[開耶の言葉へはまた笑顔で返し]
いえ、お気になさらず。僕がいづくにかへ参ればよいだけ、恐らくよい香と感じられる方のほうが多いでしょうから。
[碧に追われ]
やれ…人の姿なぞ見られて何ぞ問題か。
[手を振れば薄桃の玉。
仄かな香を放つ玉を泉の方へ投げ遣って]
[琥珀に映るは赤]
…さて、其方も呪いの内か。
さてはて、いずれであるかは時が決めようぞ。
開耶がどちらかのんびりと見て居るかのう。
まこと多き縁はどう転ぶことか。
難儀とならねば良いがな?
[くつり笑う開耶に肩を竦め視線を流した]
そう言やァ邪魔ってなんの事だったんだろうネェ?
[問いに答えはあるかないか] [どちらにしろ*ニィと笑むのだろう*]
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