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さぁのぅ……
妾は妾が真だと言えるが、喰児が嘘とも言い切らぬ。
二人のどちらかが真だと謂うなら、妾は妾を真と申す。
[小首傾げて薄く笑む]
喰児の気性からみるに、
緋の味に狂うておるだけなのやもしれぬ。
[くすくす笑う]
[夜斗が去り、自分は桜の木の上へとふわり跳び、頑丈そうな枝にて腰おろし。ぼんやりと、何を見るでもなくたたずんで]
…
[ふと、小さく自分の口元に触れ。
ここに触れた2人の同じもの。少し、苦く顔をゆがめ]
知らない、こんな物思い…
[ぽつ、と*一人ごち*]
[がくりと項垂れ、ざんばらに乱れ髪顔に垂らす。]
[黒髪の帳に隠され窺い知れぬ面、]
[その奥より低く押し殺した声音。]
おれには見えぬ。聞こえぬ。分からぬ。知らぬ。
おまえと喰児、何方がまことで何方が嘘をついておっても……。
[有塵の様子に目を細め]
[声音は優しく響くだろうか]
妾とて、妾の言うことが真なりと言うことは出来ぬ。
喰児の言が嘘とも言えぬ。妾が他を信じきれぬと同じこと。
死さねばわからぬ。生者は皆妾にとってもわからぬよ。
[押し殺した声][眺めつつ]
[消えた有塵][袖は口元]
[カラリ][コロリ] [下駄を鳴らすか]
[神域の空を翔け上がる。]
[何処へ行くとも宛ては無い。]
[ただ、緋の鬼の顔を見れず、]
[己の樹に戻れば顔を合わせてしまいそうで、]
──あゝ、あゝ。
[ただ墨染めの衣、*黒髪の奥の面を覆う。*]
[ゆらりたゆたううたたねの間。
うつしよの合間に見る夢、
起きれば男は覚えているか忘れているのか]
[夢に見ずとも忘れまいのに]
[どす黒い疑念が湧き上がる。]
[白の女の言を信じるのではない。]
[ただ、緋の鬼が信じられぬのだ。]
人食い鬼の喰児。
悪食の喰児。
殺すのも闘うのも好きな喰児。
男の下で童は育つ。
育てども子供は子供、けれども健やか伸びる身丈。
傍にあるのにいつまで腹減らぬ。
時に山の実り共に食い、時に狩る猪の魂食うただけ。
男は己の性に首かしげある日山里降りて他の子食った。
ひとつ子供食い、男は笑うて帰る
ふたつ子供食い、男は哂うて帰る
みっつ子供食い、男は哄うて返った己が性。
いつの間にか膝上納まらなくなった子は
それでも腕の中ですやすや眠る。
ああ、うまそうだ。己に懐く子供を眺めるようになる。
それでも食えず、喰らいても食えず。
夜中時折男目覚めて、くるくるぅりと墨下ろし。
眠る子寝息聞きながら筆もち
するするり、ぱたりぱたり描いた鳥獣月夜に舞う。
見上げる月に過ぎた幾年。
藍の背少し、小さく見えた。
れから四季がひと巡り。
男は子供を呼んで云う。
腹が減って食らうてしまう其の前に。
無事逃してやるのだと契り立てて
山奥から人里へ迷わず降りよと墨絵の小鳥を一羽描いた。
子供の手首と小鳥の足に墨の糸繋げて、見送る男ぽつり一人。
何度も振り返る子供は何故泣く。
見送る男の眉根は何故寄る。
子供の居ない縁側腰掛けて、くるりすらすらはたはたり。
墨絵を描いて、日向にまどろむ。
はたはたり、ばさばさり。
羽音ひとつ寄ってきて、男は起きる。
山を降りたにしては早すぎる小鳥の帰還
男は子供が越えた筈の森へと駆け出す。
ひとつ谷越え其の先に、童の血溜まり転がる白腕。
食事中の物の怪ひとつ。逢うただけ。
それで男は物の怪喰らうた。
ただ、それだけの話。
流れ者 ギルバートは時間を進めたいらしい。
[ゆるり覚める藍の目、背もたす、木立の合間。
うたたねする間に腕から毀れる墨は止まり。
傷痕のこしてけれど、
水珠破った手の平だけは未だ墨が滲む]
[カラコロリ、何処へ行く]
[骸抱き締め][囁くように]
汝れの笛の音、目前でゆっくり聴くは出来なんだが
共に唄えて――愉しかった。
――其れもまた、難儀な縁じゃ。
縁ついでに、其の顔だけでも洗うてやろう。
[しっとりに濡れた袖をあて]
[其のかんばせの緋色をおとす]
[鳴るは葉の音、微かなれども。
林の内のくれなゐ寄りて]
…やれ、酷い有様よ。
[昨日百鬼に己がしたこと忘れたかの如く。
山吹抱く白見遣り]
珍しきかな。
骸とあらば百鬼が寄りて喰らおうに。
[山吹の貌の緋、落つるを見]
[微かな葉音][聞き覚えのある声]
――開耶か。
[小さく名前を呼べば][骸を抱き]
[ゆるりと顔向け][薄く笑み――]
同属喰らうは多くはなかろう。
[緋色の瞳][緋色の衣][緋色の大地]
[白銀の髪が浮かべる笑みは異様な光景にも見え]
ましてや蘇芳は九十九神なのじゃから。
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