>>2674[そこから先は脳髄の芯が灼熱の白一色に塗り潰されて、すうっと一瞬意識が途切れた。腰の溶鉱炉に全身が熔かされて、もう何をされているのかも、自分のからだがどうなっているのかも分からない。次々に炸裂する花火に、幾度も頂に昇りつめては落ちる間もなく更なる高みへと押し上げられてゆく。当に支離滅裂だった喘ぎ声が、単純な音のみのあられもないよがり声となって男を誘い、己を引き攫う荒波からの開放を強請った。咲き切った花弁は今やその最奥の花芯の扉さえも開いて、熱い樹液が注がれるのを待っていた。]