>>262
けが人とはいえ、俺も守護者の一人。女の子一人支えるくらいの余力は残しておかないと、紳士じゃないからな
[そうジョークを交えて、口の端を少しあげると、ウェンディをリックに渡して、改めてマンジローに向きなおした]
俺はラッセル。ラッセル=アーセナルだ。学園守護隊の研修生をしている。
[そこで、リックの自分を見ている顔が、自分の格好に疑問を浮かべているのを用意に想像できるものだった。半分苦笑と半分自嘲を交えた表情を浮かべてから、これまでの経緯を話した。
メイとともに生まれ故郷の村を壊滅させた人狼七斉という人狼集団を倒しに向かったこと。
七斉は強く、まだ修行中の二人が決死の覚悟を賭しても一匹に深手を与えるだけだったこと。
そして逃げている最中、気付いたときにはメイの姿がなかったこと。
語り終えると、自分の手荷物を悔しげに撫でた]
……こいつさえ俺がちゃんと使いこなせていたら、アイツらなんか……
[瞳の奥に、後悔の念が深く渦巻いていた]