[夜斗が運ぶは祭りの場。やはり今も多くの人が。汚れた着物、痣だらけの体に腕から血を流し、精神を病んだような、どろりと濁る目でふらつく様はすれ違う人も不気味がり、遠巻きに]…あぁ、あの林檎飴…美味しかったのに…ねぇ、夜斗…もう一度、林檎飴、食べたい…[ふぅらり、すれ違う人々。背後でまた、大きな悲鳴が上がったけれども眉すら動かさず。それからどこともなく、心もとなく歩みを進め。その手には、いつの間にかいつぞやと同じ、血を滴らせる心臓が。あの夜、己の頭の中、ぱりん、と何かが*割れていた*]