大丈夫?お兄さん。
[木刀を地面に叩き付け、硬直している男を見つめている。]
金毛って……せめて金髪って言ってよ。それに、オレにはリックって名前があるんだし。リック・エインズワース。この村の守護者の学校の1年生だよ。
[リックのベルトの両脇から、糸がシュルシュルと伸びる。]
そ。これはオレの武器だよ。「ローラースリング」っていうんだ。魔法はからきしなオレのために、守護者の学校で先生をしている父さんが作ってくれたんだよ。
[リックが伸ばした糸は地面を潜り、その先端は手の形となって男の背中の5メートル後ろで揺れている。]