[グレンの言葉に、小さくありがとうと呟いて、ラッセルは落ち着きを取り戻したウェンディへ視線を投げかけた]
(さっきの反響、人に反応するのだから人には違いないんだろう。だけど、その中に感じた違和感はなんだ? 何が生み出した?)
[ラッセルはゆっくりと歩を進めると、ウェンディの前までやってきた。
右手にはサックス、左手にはクレアを持ちながら、リック越しにじっと見据える]
ウェンディ、後で話がある。悪いけどもうちょっと時間が経って落ち着いたら、一人で校舎裏で俺が良く使う修練場まで来てくれないか?
[その目に宿るのは殺気か? それとも憎悪か? 少なくとも、黒い感情が押さない彼女を突き刺していた。
そして一方的に告げると、踵を返して*寮へと消え去った*]