![]() | 冒険家 ナサニエル ――数日後。 「ナットー!ねーナットってばー!」 朝、耳元でマリーがわめいている。うるさい。 「ねーちょっとぉ、早く起きなさいよ!すっごいのよ!すっごい知らせなの!」 俺はまだ眠いんだけどな。 「早く起きなさいッ!」 腹にのしかかられてはさすがに起きないわけいかねー。死ぬ。 「なんだいマリー、随分な起こし方だなオイ」 ぐいぐい手を引かれて仕方なしに起きあがる。満面の笑みのローズマリーが座っている。 「ね、どうした?って聞いて?」 なんだか、いいような悪いような予感がするなあ… 「どうしたマリー?子供でも出来たのか」 少し目を見開いた後、さらに笑顔になったローズマリーがそこに居た。 |
(1449)2005/07/15 21:42:08 |
![]() | 医師 ヴィンセント 空気読まずに投下。 ■epilogue:時の狭間 『そこにいたのか?』 ここは現世と彼岸の狭間。転生を待つ魂がその身を横たえる世界。 自らの時は既に止まっていたが、静かに村の様子を見守り続け 人狼をついに退けたその様子に安堵していたヴィンセントは、 ふと自分へ向けられた懐かしい声に気付いた。 『ありがとうな…オードリーを今まで守ってくれて。 それにしても、あいつを任せられると思ってたのに お前までこっちに来てどうするんだよ』 振り返ると、そこには苦笑した友人の姿。 「クリス…久しぶりですね。あなたとの約束、守れましたよ……」 ヴィンセントは、そこにいる男―クリストファー―に笑って答えた。 |
(1463)2005/07/15 21:49:25 |
![]() | 医師 ヴィンセント 「私は幸せでした。愛する人の側にいて、愛する人を守れた。 それだけで充分……」 静かにそう告げると、ヴィンセントはまた村に目を向けた。 今回の騒ぎが村に残した傷跡は深い。 皆の心が癒えるまでには時間がかかるだろう。 ふと、そんな事を考えこんでいたヴィンセントに、クリストファーは 真剣な面持ちで語りかけた。 『もういいんだぞ……?「次」に向かえよヴィンス。 お前がもうここに縛られる必要は無いんだから』 一瞬、二人の間に沈黙が走る。 しかし、ヴィンセントはふっと微笑みながら首を振った。 「……何言ってるんですかクリス。まだ「約束」は果たされていませんでしょ? 彼女を…この村を見守り続けるってね。 次なんて何時だっていけます…だったら、今はここで二人で見守り続けましょう。 それに…オードリーを一人占めしようなんてずるいですよ」 そう言うと、ヴィンセントは今度はおどけた表情で、クリスの肩をぽんと叩いた。 |
(1468)2005/07/15 21:50:40 |
![]() | 冒険家 ナサニエル >>1464 つばだけじゃねーよ。 |
(1470)2005/07/15 21:51:18 |
![]() | 吟遊詩人 コーネリアス >>1470 もうわかったって。 |
(1475)2005/07/15 21:53:07 |
![]() | 冒険家 ナサニエル >>1474 俺じゃ不満なのかよ! |
(1476)2005/07/15 21:53:36 |
![]() | 酒場の看板娘 ローズマリー >>1476 そんなわけないでしょ!ばか! |
(1479)2005/07/15 21:56:56 |
![]() | 双子 リック >>1480 やっぱりぃ・・・・・ |
(1483)2005/07/15 21:58:56 |
![]() | 冒険家 ナサニエル >>1479 まただよ、かわいいなあオイ。 |
(1484)2005/07/15 22:00:43 |
![]() | 医師 ヴィンセント >>1485 いや、ここはクインジーで。 |
(1486)2005/07/15 22:03:09 |
![]() | 牧童 トビー 牧童トビーは、あの樹の下で静かに眠るように死んでいた。弔いの花端が供えられている、看取ったものが居たのだろうか。 トビーが初めてやってきた夜を思いだす。 あの日も、この樹の下で死んだように眠っていた。古き友の報せが無ければ気付かなかったであろう。風の唸りのような獣の唸りのような不思議な言葉を唱えながらトビーの冷たい額に手を置く。 「頑張ったな、トビーや」 かすかに嘶きが聞こえたかと思うと、いつの間にか老人の側で輝くような裸の白馬が足踏みをしていた。 嵐の夜の風の轟きのような、不思議な声音で語りかける。白馬の目がかすかにきらめいたように見えた。白馬の背にトビーを背負わせ、「ハイヤッ!」と尻をはたいた。 白馬はトビーを背に乗せ、す、と走り出したかと思うと一条の光芒となり地平の向こうへと消えていた。 「世界が環のように繰り返すならば、お前の霊が善き道へ導かれますよう。羊飼いの星がお前の行く道を照らしますよう。精霊の加護と恩寵がありますよう。」 老人はそう呟き、歩み去った。 東の空は白み、ヒースには朝がやってこようとしていた。 ―― fin ―― |
(1489)2005/07/15 22:04:25 |