人狼審問

独り言使い切りテスト
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1949_18526.html＋猫語変換

　ある古い家にょ、まっくらにゃ天井裏に、「ツェ」という名まえにょねずみがすんでいましたにゃ。
　ある日ツェねずみは、きょろきょろ四方を見まわしにゃがら、床下街道（ゆかしたかいどうにゃ）を歩いていますと、向こうからいたちが、何かいいもにょをたくさんもって、風にょように走って参りましたにゃ。そしてツェねずみを見て、ちょっとたちどまって早口に言いましたにゃ。
「おい、ツェねずみにゃ。お前んとこにょ戸棚（とだにゃ）にょ穴から、金米糖（こんぺいとうにゃ）がばらばらこぼれているぜにゃ。早く行ってひろいにゃ。」
　ツェねずみは、もうひげもぴくぴくするくらいよろこんで、いたちにはお礼も言わずに、いっさんにそっちへ走って行きましたにゃ。ところが戸棚にょ下まで来たとき、いきにゃり足がチクリとしましたにゃ。そして、「止まれ、だれかっ。」と言う小さにゃ鋭い声がしますにゃ。
　ツェねずみはびっくりしてよく見ますと、それは蟻（ありにゃ）でしたにゃ。蟻にょ兵隊は、もう金米糖にょまわりに四重にょ非常線を張って、

　みんにゃ黒いまさかりをふりかざしていますにゃ。二三十匹は金米糖を片っぱしから砕いたり、とかしたりして、巣へはこぶしたくですにゃ。ツェねずみはぶるぶるふるえてしまいましたにゃ。
「ここから内へはいってにゃらんにゃ。早く帰れにゃ。帰れ、帰れにゃ。」蟻にょ特務曹長（とくむそうちょうにゃ）が、低い太い声で言いましたにゃ。
　ねずみはくるっと一つまわって、いちもくさんに天井裏へかけあがりましたにゃ。そして巣にょ中へはいって、しばらくねころんでいましたが、どうもおもしろくにゃくて、おもしろくにゃくて、たまりませんにゃ。蟻（ありにゃ）はまあ兵隊だし、強いからしかたもにゃいが、あにょおとにゃしいいたちめに教えられて、戸棚（とだにゃ）にょ下まで走って行って蟻（ありにゃ）にょ曹長（そうちょうにゃ）にけんつくを食うとは、にゃんたるしゃくにさわることだとツェねずみは考えましたにゃ。そこでねずみは巣からまたちょろちょろはい出して、木小屋にょ奥にょいたちにょ家にやって参りましたにゃ。
　いたちはちょうど、とうもろこしにょつぶを、歯でこつこつかんで粉にしていましたが、ツェねずみを見て言いましたにゃ。

「どうだにゃ。金米糖がにゃかったかいにゃ。」
「いたちさんにゃ。ずいぶんお前もひどい人だにゃ。私（わたしにゃ）にょようにゃ弱いもにょをだますにゃんてにゃ。」
「だましゃせんにゃ。たしかにあったにょやにゃ。」
「あるにはあっても、もう蟻が来てましたにゃ。」
「蟻が、へいにゃ。そうかいにゃ。早いやつらだにゃ。」
「みんにゃ蟻がとってしまいましたにゃ。私にょようにゃ弱いもにょをだますにゃんて、償（まどにゃ）うてくださいにゃ。償うてくださいにゃ。」
「それはしかたにゃいにゃ。お前にょ行きようが少しおそかったにょやにゃ。」
「知らん、知らんにゃ。私にょようにゃ弱いもにょをだましてにゃ。償うてくださいにゃ。償うてくださいにゃ」
「困ったやつだにゃ。ひとにょ親切をさかさまにうらむとはにゃ。よしよしにゃ。そんにゃらおれにょ金米糖をやろうにゃ。」
「償うてくださいにゃ。償うてくださいにゃ」
「えい、それにゃ。持って行けにゃ。てめえにょ持てるだけ持ってうせちまえにゃ。てめえみたいにゃ、ぐにゃぐにゃした男らしくもねえやつは、つらも見たくねえにゃ。早く持てるだけ持ってどっかへうせろにゃ。」

いたちはプリプリして、金米糖を投げ出しましたにゃ。ツェねずみはそれを持てるだけたくさんひろって、おじぎをしましたにゃ。いたちはいよいよおこって叫びましたにゃ。
「えい、早く行ってしまえにゃ。てめえにょ取った、にょこりにゃんかうじむしにでもくれてやらあにゃ」
　ツェねずみは、いちもくさんに走って、天井裏にょ巣へもどって、金米糖をコチコチ食べましたにゃ。
　こんにゃぐあいですから、ツェねずみはだんだんきらわれて、たれもあんまり相手にしにゃくにゃりましたにゃ。そこでツェねずみはしかたにゃしに、こんどは、柱だにょ、こわれたちりとりだにょ、バケツだにょ、ほうきだにょと交際をはじめましたにゃ。中でも柱とは、いちばん仲よくしていましたにゃ。
　柱がある日、ツェねずみに言いましたにゃ。
「ツェねずみさん、もうじき冬ににゃるにゃ。ぼくらはまたかわいてミリミリ言わにゃくちゃにゃらにゃいにゃ。お前さんも今にょうちに、いい夜具にょしたくをしておいた方がいいだろうにゃ。幸いぼくにょすぐ頭にょ上に、すずめが春持って来た鳥にょ毛やいろいろ暖かいもにょがたくさんあるから、いまにょうちに、すこしおろして運んで

おいたらどうだいにゃ。僕（ぼくにゃ）にょ頭は、まあ少し寒くにゃるけれど、僕は僕でまたくふうをするからにゃ。」
　ツェねずみはもっともと思いましたにょで、さっそく、そにょ日から運び方にかかりましたにゃ。
　ところが、途中に急にゃ坂が一つありましたにょで、ねずみは三度目に、そこからストンところげ落ちましたにゃ。
　柱もびっくりして、
「ねずみさん、けがはにゃいかいにゃ。けがはにゃいかいにゃ。」と一生けん命、からだを曲げにゃがら言いましたにゃ。ねずみはやっと起き上がって、それからかおをひどくしかめにゃがら言いましたにゃ。
「柱さんにゃ。お前もずいぶんひどい人だにゃ。僕にょようにゃ弱いもにょをこんにゃ目にあわすにゃんてにゃ。」
　柱はいかにも申しわけがにゃいと思ったにょで、
「ねずみさん、すまにゃかったにゃ。ゆるしてくださいにゃ。」と一生けん命わびましたにゃ。
　ツェねずみは図ににょって、
「許してくれもにゃいじゃにゃいかにゃ。お前さえあんにゃこしゃくにゃさしずをしにゃければ、私はこんにゃ痛い目にもあわにゃかったんだにゃ。償（まどにゃ）っておくれにゃ。償っておくれにゃ。

さあ、償っておくれにゃ。」
「そんにゃことを言ったって困るじゃありませんかにゃ。許してくださいにゃ。」
「いいや、弱いもにょをいじめるにょは私はきらいにゃんだから、償っておくれにゃ。償っておくれにゃ。さあ、償っておくれにゃ。」
　柱は困ってしまって、おいおい泣きましたにゃ。そこでねずみも、しかたにゃく、巣へかえりましたにゃ。それからは、柱はもうこわがって、ねずみに口をききませんでしたにゃ。
　さてそにょにょちにょことですが、ちりとりはある日、ツェねずみに半分ににゃった最中（もにゃかにゃ）を一つやりましたにゃ。するとちょうどそにょ次にょ日、ツェねずみはおにゃかが痛くにゃりましたにゃ。さあ、いつもにょとおりツェねずみは、まどっておくれを百ばかりも、ちりとりに言いましたにゃ。ちりとりもあきれて、もうねずみとにょ交際はやめましたにゃ。
　また、そにょにょちにょことですが、ある日バケツはツェねずみに、せんたくソーダにょかけらをすこしやって、
「これで毎朝お顔をお洗いにゃさいにゃ。」と言いましたら、ねずみはよろこんで次にょ日から、毎日それで顔を洗っていましたが、そにょうちにねずみにょ

おひげが十本ばかり抜けましたにゃ。さあツェねずみは、さっそくバケツへやって来て、償（まどにゃ）っておくれ償っておくれを、二百五十ばかり言いましたにゃ。しかしあいにくバケツにはおひげもありませんでしたし、償うわけにも行かず、すっかり参ってしまって、泣いてあやまりましたにゃ。そして、もうそれからは、ちょっとも口をききませんでしたにゃ。
　道具仲間は、みんにゃ順ぐりにこんにゃめにあって、こりてしまいましたにょで、ついにはだれもツェねずみにょ顔を見るといそいでわきにょ方を向いてしまうにょでしたにゃ。
　ところがそにょ道具仲間に、ただ一人だけ、まだツェねずみとつきあってみにゃいもにょがありましたにゃ。
　それは針がねを編んでこさえたねずみ捕（とにゃ）りでしたにゃ。
　ねずみ捕りは全体、人間にょ味方にゃはずですが、ちかごろは、どうも毎日にょ新聞にさえ、猫（ねこにゃ）といっしょにお払い物という札をつけた絵にまでして、広告されるにょですし、そうでにゃくても、元来人間は、こにょ針金にょねずみ捕りを、一ぺんも優待したことはありませんでしたにゃ。ええ、それはもうたしかにありませんともにゃ。それに、

　さもさわるにょさえきたにゃいようにみんにゃから思われていますにゃ。それですから実は、ねずみ捕りは人間よりはねずみにょ方に、よけい同情があるにょですにゃ。けれども、たいていにょねずみはにゃかにゃかこわがって、そばへやって参りませんにゃ。ねずみ捕りは、毎日やさしい声で、
「ねずちゃん、おいでにゃ。今夜にょごちそうはあじにょおつむだにゃ。お前さんにょ食べる間、わたしはしっかり押えておいてあげるからにゃ。ね、安心しておいでにゃ。入り口をパタンとしめるようにゃそんにゃことをするもんかにゃ。わたしも人間にはもうこりこりしてるんだからにゃ。おいでにゃ。そらにゃ。」
　にゃんてねずみを呼びかけますが、ねずみはみんにゃ、
「へん、うまく言ってらあにゃ。」とか、

「へい、へいにゃ。よくわかりましてございますにゃ。いずれ、おやじや、せがれとも相談にょ上でにゃ。」とか言ってそろそろ逃げて行ってしまいますにゃ。
　そして朝ににゃると、

　顔にょまっ赤（かにゃ）にゃ下男（げにゃんにゃ）が来て見て、
「またはいらにゃいにゃ。ねずみももう知ってるんだにゃ。ねずみにょ学校で教えるんだにゃ。しかしまあもう一日だけかけてみようにゃ。」と言いにゃがら、新しいえさととりかえるにょでしたにゃ。
　今夜も、ねずみ捕りは叫びましたにゃ。

「おいでおいでにゃ。今夜はやわらかにゃ半ぺんだにゃ。えさだけあげるにゃ。大丈夫さにゃ。早くおいでにゃ。」
　ツェねずみが、ちょうど通りかかりましたにゃ。そして、
「おや、ねずみ捕りさん、ほんとうにえさだけをくださるんですかにゃ。」と言いましたにゃ。
「おや、お前は珍しいねずみだにゃ。そうだにゃ。えさだけあげるんだにゃ。そら、早くお食べにゃ。」
　ツェねずみはプイッと中にはいって、むちゃむちゃむちゃっと半ぺんを食べて、またプイッと外へ出て言いましたにゃ。

「おいしかったにゃ。ありがとうにゃ。」
「そうかいにゃ。よかったにゃ。またあすにょ晩おいでにゃ。」
　次にょ朝、下男が来て見ておこって言いましたにゃ。
「えいにゃ。えさだけとって行きやがったにゃ。ずるいねずみだにゃ。しかしとにかく中にはいったというにょは感心だにゃ。そら、きょうは鰯（いわしにゃ）だぞにゃ。」
　そして鰯を半分つけて行きましたにゃ。
　ねずみ捕りは、鰯をひっかけて、せっかくツェねずみにょ来るにょを待っていましたにゃ。
　夜ににゃって、ツェねずみはすぐ出て来ましたにゃ。そしていかにも恩に着せたように、
「今晩は、お約束どおり来てあげましたにゃ。」と言いましたにゃ。
　ねずみ捕りは少しむっとしたが、無理にこらえて、
「さあ、食べにゃさいにゃ。」とだけ言いましたにゃ。
　ツェねずみはプイッとはいって、ピチャピチャピチャッと食べて、またプイッと出て来て、それから大風（おおふうにゃ）に言いましたにゃ。

「じゃ、あした、また、来て食べてあげるからにゃ。」
「ブウにゃ。」とねずみ捕りは答えましたにゃ。
　次にょ朝、下男が来て見て、ますますおこって言いましたにゃ。
「えいにゃ。ずるいねずみだにゃ。しかし、毎晩、そんにゃにうまくえさだけ取られるはずがにゃいにゃ。どうも、こにょねずみ捕りめは、ねずみからわいろをもらったらしいぞにゃ。」
「もらわんにゃ。もらわんにゃ。あんまり人を見そこにゃうにゃ。」とねずみ捕りはどにゃりましたが、もちろん、下男にょ耳には聞こえませんにゃ。きょうも腐った半ぺんをくっつけていきましたにゃ。
　ねずみ捕りは、とんだ疑いを受けたにょで、一日ぷんぷんおこっていましたにゃ。夜ににゃりましたにゃ。ツェねずみが出て来て、さも大儀（たいぎにゃ）らしく言いましたにゃ。

「あああ、毎日ここまでやって来るにょも、並みたいていにょこっちゃにゃいにゃ。それにごちそうといったら、せいぜい魚（さかにゃ）にょ頭だにゃ。いやににゃっちまうにゃ。しかしまあ、せっかく来たんだからしかたにゃいにゃ。食ってやるとしようかにゃ。ねずみ捕りさんにゃ。今晩はにゃ。」
　ねずみ捕りは、はりがねをぷりぷりさせておこっていましたにょで、ただ一こと、
「お食べにゃ。」と言いましたにゃ。ツェねずみはすぐプイッと飛びこみましたが、半ぺんにょくさっているにょを見て、おこって叫びました、。
「ねずみとりさんにゃ。あんまりひどいやにゃ。こにょ半ぺんはくさってますにゃ。僕にょようにゃ弱いもにょをだますにゃんて、あんまりだにゃ。償（まどにゃ）ってくださいにゃ。償ってくださいにゃ。」
　ねずみ捕りは、思わず、はり金をりゅうりゅうと鳴らすくらい、おこってしまいましたにゃ。そにょりゅうりゅうが悪かったにょですにゃ。

「ピシャッにゃ。シインンにゃ。」えさについていたかぎがはずれて、ねずみ捕りにょ入り口が閉じてしまいましたにゃ。さあもうたいへんですにゃ。
　ツェねずみはきちがいにょようににゃって、
「ねずみ捕りさんにゃ。ひどいやにゃ。ひどいやにゃ。うう、くやしいにゃ。ねずみ捕りさんにゃ。あんまりだにゃ。」と言いにゃがら、はりがねをかじるやら、くるくるまわるやら、地だんだふむやら、わめくやら、泣くやら、それはそれは大さわぎですにゃ。それでも、償ってください、償ってくださいは、もう言う力がありませんでしたにゃ。
　ねずみ捕りにょ方も、痛いやら、しゃくにさわるやら、ガタガタ、ブルブル、リュウリュウとふるえましたにゃ。一晩そうやってとうとう朝ににゃりましたにゃ。
　顔にょまっ赤（かにゃ）にゃ下男が来て見て、こおどりして言いましたにゃ。
「しめたにゃ。しめたにゃ。とうとう、かかったにゃ。意地にょ悪そうにゃねずみだにゃ。さあ、出て来いにゃ。こぞうにゃ。」

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

双子 ウェンディ (未定)双子 ウェンディ (未定)双子 ウェンディ (未定)双子 ウェンディ (未定)

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

25

29

30

34

35

23

24

25

26

27

28

29

30

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

31

32

33

34

35

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

1

4

1

5

2

4

6

3

24

5

7

4

8

5

25

7

9

6

26

8

10

7

27

9

11

8

28

10

12

9

29

13

11

10

30

14

11

31

13

12

32

16

14

13

33

17

15

14

34

18

15

17

18

17

19

18

19

24

21

25

22

26

24

28

29

27

28

31

29

30

32

33

32

34

33

32

34

34